イメージ(写真提供:Photo AC)
東京で栽培されている伝統野菜を「江戸東京野菜」といい、その名の通り、古いものでは江戸時代から栽培が行われています。江戸東京野菜は、品種改良されている一般的な野菜よりも栽培に手間がかかってしまいますが、その分、野菜本来の複雑な味や香りが楽しめると評判のようです。代表的な江戸東京野菜をいくつかご紹介します。

江戸東京野菜って?

江戸東京野菜とは、江戸時代から昭和40年ごろまでの間に都内の農地で栽培されていた在来種か、または現在もその当時の栽培法により作られている野菜のことを指します。

現在は50種類以上の野菜が認定されており、JA(農業協同組合)の直売所などで購入が可能です。

江戸東京野菜は昔ながらの品種のため、病気に弱いなどの問題があり安定生産が難しいとされています。加えて、高度経済成長期以降は手軽に大量生産できる野菜が栽培されるようになり、また、都内の農地も減少していったために、一時は生産の維持を危惧されたこともありました。

しかし、近年では地域の歴史を伝える存在として注目され、江戸東京野菜を普及させようとする動きが見られます。例えば、江戸東京野菜を町おこしに採用したり、都内で開催されるフードイベントの食材に使用したりするなどの取り組みが行われています。

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練馬大根

練馬大根は、江戸時代から練馬地方で栽培が開始された野菜です。水分が少ないため、身が締まっていて歯応えがよいのが特徴です。また、乾きやすいことから干し大根に適しており、たくあん漬けにもよく使われています。

この大根を活用した練馬区のイベントとして、「練馬大根引っこ抜き競技大会」があります。競技は制限時間内に抜いた本数を競う選手権の部と、抜いた大根の長さを競うグループ参加の部で行われます。なかなか抜けない練馬大根に悪戦苦闘し、楽しむ参加者の姿で会場が賑わうそうです。

年に一度、12月ごろに開催されるこの大会は非常に人気で、毎年申込みが殺到します。今年は10月23日9時から申込み受付が始まり、翌々日の10月25日17時には締め切られました。

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