地曳さん「スペインのマクドナルドでバッグを盗まれてしまいーー」(写真提供:Photo AC)

 

経済産業省が2023年5月に発表したレポートによると、新型コロナ感染拡大前にあたる19年12月と比較して、鉄道旅行客は約90%、航空旅行客は約15%を超えるまで回復したそうです。一方、仕事やプライベートでさまざまな国を訪問してきたスタイリスト・地曳いく子さんは、著書などを通じて旅にまつわるさまざまなテクニックを発信してきました。その地曳さん、「スペインでバッグを盗まれた」そうで――。

パスポートが盗まれた! その時……

30代の頃、友人とスペインのバルセロナに旅行した時に、マクドナルドでバッグを盗まれたことがあります。

あいにくその日はヨーロッパを横断する列車に乗ってパリへと移動する予定だったので、バッグにはパスポートも入っていました。

すぐに警察に行くと、私と同じようにバッグを盗られた20人以上の観光客で待合室はいっぱい。待つ間に、「床にちょっと置いた隙になくなっていた」とか「私は、ひったくられた」など、みなさん自分の状況を伝え合っていました。

やっと私の番になり、警官から言われた一言目は「とにかくバッグが出てくるとは思わないように」でした。

盗難届書類はすぐに作成してくれたものの、パスポートはマドリードにある日本領事館に行かないと再発行は無理、しかもその日と翌日はスペインの休日に当たるため翌週まで領事館は開かないとのこと。

どうしたらいいのか?と途方に暮れながら警官に相談すると、「日本人だったら、この盗難証明書があれば、列車でパリに行けるから、パリの日本領事館でパスポートを発行してもらった方がいい」と言われたのです。