消費者として声をあげて高齢者の暮らしをより豊かに
歳をとってヨタヘロ期になると、どうしてもデイサービスや病院といった最低限以外の外出が減ってしまいます。それが浮世の定めかとうら寂しい気持ちになりますが、たまには買い物援助の自費サービスを利用するなどして“娑婆(しゃば)”の空気を吸ってみませんか?
高齢者は「生涯一有権者」であると同時に、「生涯一消費者」です。私たちは何歳になっても、お米も食べればお茶も飲みます。加えて老眼鏡や入れ歯、補聴器など、人生100年社会を生き、長生きができたからこそ使うものもたくさんあります。ですからひとりひとりの声は小さくとも、消費者としての意見をどんどん発信していきたいもの。知恵も働かせて、賢く買い物をしたい。そうした声や消費行動が、もっと使いやすい補聴器や紙おむつの開発につながるのではないでしょうか。
同様に、街のバリアフリー化もさらに進める必要があります。高齢者が出かけやすい街は、ベビーカーを押したり小さな子どもの手を引いているお母さん方にとっても、出かけやすいはず。最近はとかく世代間の断絶が注目されがちですが、老いも若きも中年も、「明日は我が身」と胸に刻み、暮らしやすい社会をつくっていきたいものです。