中医学的 大雪の旬のもの

・旬の食材1 牛肉

牛肉は気と血(けつ)(注)を補い、身体を温め、足腰や筋を強くするので、疲れやすい年末年始にピッタリの食材です。ただし、消化の負担になりやすい食材でもあるため、くれぐれも食べすぎにはご注意ください。

鍋やスープなどに入れて“少量をしっかり食べる”ことをおすすめします。牛すね肉をスープにしてもいいですし、牛すじ肉の煮込みなども美味しいですね。

ところで、牛肉が部位によって効能が異なることは、あまり知られていないかもしれません。たとえば、レバーは平性で、血を補い、目をすっきりさせ、アルコールの解毒を助けてくれます。

タンは寒性で、こもった熱を取り、身体の水はけを良くするので、むくみなどに効果的。牛すじは温性ですから、身体を温めて元気にし、足腰を強くします。

また、テールスープなどに使用する牛骨(髄)は、温性で生命エネルギーの根本となる腎を補い、精力をつけ、気を作る肺も元気にしてくれます。

この髄液を栄養ドリンクのように飲むこともあるようですが、これだけ身体を活性化させてくれるので、おそらく精力剤のような効果が期待できるのでしょう。

(注)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。

・旬の食材2 しいたけ

生しいたけの本来の旬は春と秋です。生しいたけは牛肉と同じくエネルギー補給をしてくれますが、干ししいたけになると、さらに腎と肝を養うといった効能も加わります。できれば、この時期は積極的に干ししいたけを使ってほしいと思います。

・旬の食材3 桜エビ

桜エビの旬は、3~6月の春漁と10~12月の秋漁の年2回。エビは温める力と補腎の力が強いので、冷え性の人や体力のない人におすすめ。桜エビと生姜の炊き込みご飯は、干ししいたけで出汁をとれば、香り豊かな養生食に。元気がないとき、胃腸が弱っているときに、ぜひ。

※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

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