意地を張りながらも興味津々のサウナ
コロナ禍あたりから始まった「整う」。もう終わるだろうと鷹を括っていたところ、ブームは次第に熱を帯びていく。『サ道』(テレビ東京・2020年)という、サウナを題材にしたテレビドラマが放送され、東京都内にはサウナ施設が続々とオープン。私の住んでいるファミリー層の多く住む沿線でさえも、サウナの新店が増え続けている。
客層も若手男子だけかと思いきや、女性客も多いという情報がちらほら。ついには、私と同い年の幼なじみでさえも「整い、はじめました」とLINEを寄こした。
「私には合わないので」と逃げていたけれど、この猫も杓子も整いブームには、そろそろ向かい合わなくてはならないかもしれない。そう思っていたときに、自宅から徒歩10分圏内にある昔ながらの銭湯が大リニューアルをした。やはり流行の大波には争うことができなかったのか、サウナ施設を導入したという。
電車に乗ってまで向かうのは気が引けたけれど、歩いていけるのなら行ってみようと、好奇心が動いた。ただ心の中では「露天風呂のついでに行くんだからね」と、どこまでも意地っ張りを貫くおばさん。