若い人の成長をサポートできる高齢者というのは、たいへん魅力的

松本大洋さんのマンガ『ピンポン』(小学館)にも、老賢者が登場します。

主人公は卓球に情熱を注ぐ高校生のペコとスマイル。ペコは積極的な性格だけどいい加減なところがあり、スマイルは過去にいじめられた経験から笑うことが少ないというキャラクターです。

二人は幼馴染で心の底では信頼し合っていますが、関係性が変化していく。挫折を乗り越えて成長していく青春物語ですが、それぞれにアドバイスを送る老賢者が登場します。スマイルには六〇歳超の卓球部顧問の小泉丈先生。かつては「バタフライジョー」と呼ばれた名選手で、スマイルに才能があることを見抜いて徹底的に鍛えます。そのあまりの厳しさにスマイルは逃げ出しますが、結局は戻ってきて二人三脚で上位をめざします。

一方、調子を落としていたペコは、街の卓球場のオババというおばあさんから指導を受ける。やはり猛特訓を受けて再生を果たすわけです。

この作品を読んでいると、私は心が温かくなってくる気がします。こうやって若い人の成長をサポートできる高齢者というのは、たいへん魅力的です。まさに老賢者として振る舞っているわけで、中高年になると誰でも憧れるのではないでしょうか。

若い人の成長をサポートできる高齢者というのは、たいへん魅力的(写真提供:Photo AC)