若い頃の恋愛は、性と愛というか、性的な魅力と人としての魅力の区別がつかず、ごっちゃになったりするでしょう。それが若さですし。

岡本 そして年齢によっては、結婚願望というややこしいものもまじってきますよね。

 そうそう。不動産の物件選びみたいに、経済力などの条件も気になって(笑)。でも60代になると性は沈殿するし、条件も関係なくなる。上澄みになるんだなぁと実感しています。

冷静にお互いを見ることができる分、人としての魅力がないと続かない。やっぱりハートだよねということに気づくまで、何十年もかかっちゃった。

岡本 あっ、「上澄み」って、要はすごく澄んでいて純粋、ということですね。

 そうなの、そうなの!

岡本 私も今、第二歌集の準備中です。地元で暮らしていく中で気づいたことが、徐々に溜まって歌になっていくんだなと実感しているので、四万十で生まれた歌も入れたいと思っています。

 そうして作った歌であっても、思いや意図が100%読者に伝わるわけではない。それでいいと思っています。作者の意図とは違うものを読者に見つけてもらえたら、その歌がすごく豊かになるから。とにかく読んでくれる人を信じることが大事です。

岡本 第一歌集を読んでくださった読者からのお葉書に、「友だちを励ます言葉を探そうと思って手に取りました。でも、結局自分の言葉で会いに行こうと思いました。だからありがとう」と書いてあって。それを読んで泣きそうになりました。

 素敵ね。短歌を始めるには、まず言葉を信じるところから。だって1000年以上も前に詠まれたものが、今の私たちに届いているんだもの。

自分の言葉が、もし目の前の人には届かなくても、未来の誰かに届くかもしれない。その言葉の力、しぶとさを教えてくれるのも短歌だと思います。


あなたの《三十一文字》を募集します。お題は「愛」

今回の短歌特集はいかがでしたか?私も一首詠んでみた!という方、作品をぜひ『婦人公論』までお送りください。優秀作は2024年7月発売号にて発表します。選考委員は、本特集でアドバイスをしていただいた歌人の俵万智さん。あなたの思いをのせた《三十一文字》を、ふるってご応募ください

《応募要項》
■お題 「愛」
■締切 2024年3月29日(金)必着
■選考委員 俵万智(歌人)
■応募方法 自作の短歌(1通3首以内)、郵便番号、住所、電話番号、氏名、年齢、職業、性別を記入のうえ、以下のフォームからご応募ください
■選考結果 『婦人公論』2024年8月号(7月15日発売号)でご紹介します
※掲載作品には薄謝を進呈します

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