千秋楽は、瞬きをせずに
私は業界新聞社の記者をしていた時、親方になった元大関・貴ノ花様(横綱の3代目若乃花と貴乃花の父親。大ファンなので「様」をつけている)と、あるパーティで偶然お会いしたことがある。
二子山親方ではなく藤島親方の時代で、審判部長ではなく審判委員をしていた。その仕事についてお聞きしたら、「近い距離で足とかじっと見ているので、目がものすごく疲れるのですよ」と、おっしゃっていた。その受け答えが丁寧なので、さらにファンになった。
千秋楽は私が密かに応援している前頭11枚目・佐田の海と前頭12枚目・王鵬の勝ち越しがかかっている。王鵬は、前頭9枚目・御嶽海との対戦。御嶽海は勝ち越していて、のびのびと元大関の実力を発揮するかもしれないから警戒。
佐田の海は、同じく勝ち越したい前頭3枚目・翔猿との対戦ではないか。翔猿は動き回るから警戒。ほかにも7敗同士の対決が2番ある。
膝の大怪我のために4年ぶりに幕内に復帰した前頭14枚目・友風も、勝ち越しをかけている。千秋楽は、瞬きをせずに何番も見なくてはならない。ドライアイの目薬は、既に持っている。
いま、テレビで「NHK杯フィギュアスケート」の選手たちの演技の美しさをチラ見しながら原稿をパソコンで打っている。戦う大相撲の力士たちも美しいぞ。スポーツの美の幅は広いのだ。