その人生に幕を下ろした家康。その存在はついに「神」へ――(写真提供:Photo AC)

松本潤さん演じる徳川家康が天下統一を成し遂げるまでの道のりを、古沢良太さんの脚本で巧みに描いてきたNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)もいよいよ12月17日の放送で最終回を迎えます。一方、静岡大学名誉教授の本多隆成さんが、徳川家康の運命を左右した「決断」に迫るのが本連載。連載最終回のテーマは「神になった家康」です。

大坂落城後

大坂落城後に、家康は諸大名や代官らに命じて、大坂方の残党の捜索を、全国にわたってきびしく行なわせた。秀頼には側室との間に二人の子があったが、千姫の嘆願にもかかわらず、八歳の男子国松は五月二十三日に京都六条河原で斬首された。七歳の女子(天秀尼)は命を助けられ、鎌倉の東慶寺に入った。

閏六月十三日にはいわゆる「一国一城令」が出され、居城のみを残し、それ以外の城はすべて破却するように命じた。

ただし、これは法令として公布されたものではなく、毛利・島津・黒田など、主として西国の諸大名に対し、酒井忠世・土井利勝・安藤重信という江戸奉行衆三名の連署奉書によって個別に通達されたのであった。

ところが、奉書が与えられず、口頭でも指示されていない大名も、幕府の意向を忖度し、城の破却を行なったとみられる。実際にも、数日の間におよそ四〇〇ほどの城が破却されたといわれている。