不便さを放置すると、事故につながることも

「夜中にトイレに起きた際、階段で足を踏み外しそうになった」「膝が痛くて洗濯物を2階の物干し場に運ぶのがしんどい」……。年を重ねると、体力が落ちたり、反射神経が衰えたりして、これまでできていたことが難しくなっていきます。

不便さを放置していると、いずれ大きな事故につながることも。こうしたタイミングで、2階で寝ている人は寝室を1階に移す、洗濯に関わる作業は一つの場所で済ませるようにするなど、部屋の活用方法や家事動線を見直すといいでしょう。

お金をかけて大規模なリフォームをしなくても解決できることはたくさんありますし、工事の内容によっては国や自治体から助成金が出るものもあります。まずは家の中で改善したい場所を書き出し、整理してみてはいかがでしょうか?

ここからは実際に私が施工した事例を取り上げつつ、よくあるお悩みへの改善策を紹介します。不便さや不快さ、危険を感じずに安心・安全に暮らせる家=我慢しない家づくりこそが、健康寿命を延ばす秘訣です。

 

(イラスト◎ひしだようこ)