カットされていたジョーク
息子がひっくり返って笑っているので、どうしたのかと思っていると、連合いについてのコメントが付いていると言う。英国にドリュー・プリチャードという有名なアンティーク・ディーラーがいるのだが、きっと彼の番組がオランダでも放映されているのだろう。
「ドリュー、アムステルダムにアンティークの買い付けにきていたのかな」
というジョークコメントが付き、いくつも「いいね」が付いていた。
「確かに、ファッションも含め、似てるかも」と爆笑するわたしと息子を横目で見ながら、連合いは自分の映像を何度も再生していた。
「この容疑者の場合、『遠すぎた橋』ならぬ、『遠すぎたトイレ』だったな」というジョークを飛ばしたのに、それがカットされているのが不満だったそうだが、まんざらでもなさそうにしている。
「この年になって初めてテレビに出るとは思わなかったな」
と連合いは言った。
「俺、2年前には死ぬって言われてたのに」
確かに、人生、何が起きるかわからない。自分ひとりでもけっこうそうなのに、家族というのはそれを増幅させるもののようである。