「大事なのは、社会と接点を持つことと、体を動かすこと」

60代以降の一番の悩みはGSM

そして今、開業当時から診ている患者さんたちが、アフター更年期世代になりました。

一番多い悩みは、GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)といって、陰部がかゆい、においが気になる、痛くて自転車に乗れない、性交痛がある、尿漏れする、膀胱炎を繰り返すなどの症状です。女性ホルモンの減少により、外陰部や膣が乾燥して萎縮したり、炎症を起こしたりするんですね。

治療には、女性ホルモン入りのクリームを局部に塗る方法、レーザーを照射して膣粘膜を引き締める方法などがあります。

最近では男性ホルモン補充療法も出てきました。筋力維持や体力、気力向上に関わるホルモンを、膣や骨盤底筋などの局所的な治療に用いるものです。まだ日本産科婦人科学会のガイドラインには載っていませんが、今後は広まるのではないでしょうか。

ご自身で骨盤底筋を鍛える運動をするのも、尿トラブルをはじめGSMの改善に有効です。

私がおすすめするのは、トイレで便座に座って小用を足すとき、途中で止める方法。骨盤底筋を締める感覚が一番つかみやすいと思います。