(写真提供:photo AC)
通巻1600号を迎えた『婦人公論』。創刊以来、女性をとりまくさまざまな問題にスポットを当てて、自分らしく生きたいと願う読者に寄り添ってきました。その歴史はまさに《女性の生き方》の研究の積み重ねでもあります。そこで、この連載では、「女性の生き方研究所」として、読者のみなさんにアンケートを実施して、今を生きる女性たちの本音にせまっていきます。第1回のテーマは「アフター更年期」。たくさんお寄せいただいた回答をもとに、前・中・後篇の3回にわたってお届けします。今回は後篇。締めとなる今回は、回答者の声とともに婦人科の医師のインタビューもお届けします。

若い頃の自分にアドバイスしたいこと

更年期をめぐる社会の変化

私が婦人科クリニックを開業したのは1992年、39歳のときです。その当時、社会的にはアフター更年期どころか、更年期女性のヘルスケアへの関心もまだまだ低かったですね。

そんななか、97年に「美しい50歳がふえると、日本は変わると思う。」というコピーとともに、銅版画家の山本容子さんやスタイリストの久米麗子さんなどが出演する資生堂のCMが流れたんですよ。

50代以上の女性に対しては「もう老人なんだから引っ込んでろ」というような時代でしたから、新鮮な衝撃でした。

同時に、80年代後半くらいから、ホルモン補充療法をはじめとする更年期治療の選択肢も、少しずつ紹介され始めました。

2005年に小林製薬が「命の母A」を広く販売し始めて、そのあたりから更年期の症状に対応した漢方薬や生薬、ハーブティー、サプリメントなども登場するように。私自身、まさにこの時代に更年期を過ごしながら、患者さんたちと向き合ってきました。

1991年新年号表紙「読書する女」画◎山本容子。山本さんは98年3月号まで婦人公論の表紙絵を手がけた