苦しみを終わらせる方法
「性被害に遭ったことがあるの?」
吐き気が胃の中で渦巻き、脳内を内側から鋭利な刃物でかき混ぜられているような痛みに呻いている最中、すべてにうんざりした私は、面倒になって「そうだ」と応えた。それでこの男との縁が切れるのなら、それでいいと思った。しかし、彼は思いがけない言葉を口にした。「俺なら君を治してあげられると思う」と。
どうかしていた、と今は思う。しかし、藁にもすがる思いで、私は聞き返した。
「本当に、この苦しみを終わらせる方法があるの?」
Sは、「ある」と言い切った。「ただし、そのためには苦しい過程をこなさなければならない」とも。今すでに苦しいのだから、治療の過程で多少苦しんだとしても、そんなのは取るに足らない痛みだ。そう思い、気づいたら懇願していた。
「私を治して」