ゆっくり食べないとたんぱく質不足に

年をとって食の好みが変わると、炭水化物が多くなる反面、たんぱく質が不足しがちです。ラーメンなどはチャーシューぐらいしかたんぱく源がありません。それだけでは明らかなたんぱく質不足ですね。

それに加えて、たんぱく質はゆっくり食べないと消化が悪くなります。唾液の中に消化酵素が含まれているからです。

ある程度分解してから胃に送らないと、胃の負担が大きくなり、胃でも十分に分解できないまま腸に送られる(写真提供:Photo AC)

唾液の消化酵素には、でんぷんを消化するアミラーゼやたんぱく質を分解するペプシンなどがあります。つまり、口の中で唾液が食べものと混ざり合うことによって、胃に入る前に消化が始まっているわけです。

ところが、前述したような一皿で食べられるメニューは、そんなに噛まなくても食べられるので、多くの人はあっという間に食べ終えてしまいます。つまり、早食いになりやすいメニューなのです。

早食いをすると、唾液による消化(たんぱく質などの分解)が十分行われません。ある程度分解してから胃に送らないと、胃の負担が大きくなり、胃でも十分に分解できないまま腸に送られます。

当然のことながら、これでは腸の負担も大きくなります。たんぱく質が十分分解されないまま、食べものが腸を素通りしてしまうのです。これでは、せっかく食べたたんぱく質が十分体に吸収されないことになります。