噛む力や飲み込む力
さらに高齢になると消化吸収能力が低下するため、若い頃と同じ量のたんぱく質を摂っても、効率よく筋肉にならないとされています。
もともと食事から摂るたんぱく質が少ない上に、早食いでたんぱく質の吸収が悪くなり、加齢による吸収能力の低下も相まって、高齢者はたんぱく質不足に陥りがちなのです。
高齢者のたんぱく質不足を解消するため、私たちは「お肉をもっと食べましょう」と、以前から提唱しています。
しかし、それは簡単ではありません。高齢者がお肉を好まなくなる原因には、噛む力や飲み込む力の低下という理由があるからです。
その結果として炭水化物が中心のメニューになっているのですから、お肉を食べるより前に、噛む力や飲み込む力を高めなければなりません。
※本稿は、『70歳の壁を越える 食べる力』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
『70歳の壁を越える 食べる力』(著:栗原毅・栗原丈徳/エクスナレッジ)
70歳の壁を越えて元気に生きていくためには、「食べる力」を落とさないことが大切!
・食べる力が衰えると寝たきりのリスクが!
・歯周病を放置しておいたらいずれ歯は抜ける
・歯周病で脳卒中や心筋梗塞、認知症、誤嚥性肺炎も!
・歯は1日に何回、何分みがくのがいい?
70代からの生活の質を劇的に高める「食べる力」が身につく方法を、人気の内科医と歯科医がやさしく解説。