中医学的 立春の暮らしかた

・心と身体の状態

まだまだ気温の低い日がつづきますが、暦の上では春の到来―。

五行の陰陽でいうところの「陰気」が減り、エネルギーとなる「陽気」が満ちていくので、少しずつ力がみなぎるのを感じる人も多いのではないでしょうか。

『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

一方で、大きな季節の変わり目であるこの時期は、陰から陽へと転じていく変化ゆえ、心身ともに不安定になりやすい傾向があります。

イメージとしては、まだまだ冬眠から目覚めたばかり。これから暖かい日も増えていきますので、春の陽気に身体が慣れることで、少しずつ落ち着いていくはずです。

・起こりやすい不調

中医学では、自然現象のひとつ「風」が邪気に変化した「風邪(ふうじゃ)」による不調が出やすい時期です。

「風邪」は冷えや熱、乾燥といったほかの邪気を連れて体内に入り、風邪(かぜ)・めまい・頭痛などの不調をもたらします。

花粉症も、この「風邪」が花粉と一緒に身体に入り込んだことにより起こる症状のひとつ。頭痛や鼻水、目のかゆみなど、人間の上半身と関連のある部位を狙う「風邪」ゆえの症状が見られることでしょう。

また春は、じつは1年でもっともストレスを感じやすい季節。とくに立春の頃は、不眠・寝つきの悪さ・憂うつ・気分の落ち込みなどを感じやすくなります。