古屋さん「平均値で語る『若者論』の出る幕はほとんどない」(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が公表している令和4年の「雇用動向調査」の結果によると、令和4年の一般労働者の離職率は11.9%、パートタイム労働者の離職率は23.1%でした。特に若手の育て方が難しいと叫ばれる中、「いままでの育て方とまったく異なる発想で育成を行う必要がある」と話すのはリクルートワークス研究所 主任研究員の古屋星斗さん。その古屋さん、「平均値で語る『若者論』の出る幕はほとんどない」とも言っていて――。

「若者がわからない」と嘆く前に理解すべきこと

「若手との接し方、どうすればよいのかわからない」

「自分が若手の頃と違いすぎる」

「若手が何も言わずに、突然『転職します』と言ってくる」

企業の管理職の方々と話して、こうした意見を聞かないことはない。

いつの時代も若者は、社会で奮闘している先達からは簡単に理解できない存在である。

ただし、現在の状況はこうした「Z世代は……」「最近の若者は……」といった「若者論」の範疇で完全に理解することができない。

その理由は2つあり、そのうちのひとつは多様化・多極化である。

多様化するキャリア志向、仕事観のなかで、管理職世代とほとんど変わらない感覚の若手も存在するし、全く違う若手もいる。何パターンあるかわからない組み合わせのなかで、平均値で語る「若者論」の出る幕はほとんどない。