続編では強力な敵が現れた
ドラマの続編は期待はずれになりがち。ネタが尽きたり、マンネリ化したりするのが理由だ。しかし、1月9日にスタートしたNHK『正直不動産2』(火曜午後10時)は2022年に放送された前作に増して面白くなりそう。根拠を5つ挙げたい。
第1に対立構図が複雑化した。前作は、基本的には祟りによってウソの吐けなくなった登坂不動産の営業マン・永瀬財地(山下智久)が、それでも好成績を挙げようと奮闘する物語だった。
続編では強力な敵が現れた。ミネルヴァ不動産の営業マン・神木涼真(ディーン・フジオカ)である。永瀬の元上司で、同社に転職した。不動産を売ることに人生の全てを捧げており、違法スレスレの営業も平気。顧客に好感を抱かれる笑顔をつくるため、整形手術までしたというから、徹底している。永瀬に顧客の騙し方を指南した人物でもある。
神木は正直営業に転じた永瀬を毛嫌いし、「おまえから全てを奪ってやる」と宣言。突拍子もない言葉だったので、永瀬はピンと来ていなかったようだが、本気らしい。神木は光友銀行・榎本美波(泉里香)に急接近する。永瀬と親しい女性だ。
敵はまだいる。登坂不動産に中途入社してきた大地主・藤原結弦(馬場徹)である。営業成績ナンバーワンを常に目指す永瀬に対し、「僕、ナンバーワンとか興味ないっすから」と、軽く言い放つ。それでいて地主仲間との関係を生かし、瞬く間に自分がトップに立つ。コネクションだけの男なのか、それとも秘かな営業テクニックがあるのか。つかみどころがない人物である。