白内障の「様子見」が引き起こす「緑内障」

そんな身近な白内障について、ぜひとも知っておいてほしいことは、「緑内障」との密接な関係です。

白内障を「誰もがなるから」と軽く考え、「手術はいよいよ見えなくなってから」などと放置してしまうと、時間差で緑内障を引き起こしてしまいます。

白内障になると、くもりガラスを通して見るようなもので、視力が落ちます(写真提供:Photo AC)

白内障が進行すると、水晶体の変質が進みます。その影響で水晶体は厚みを増すことになり、角膜と水晶体の間を通過する「房水」の通り道となる「隅角」が狭くなるのです。

房水の流れとは、血管のない角膜や水晶体に酸素や栄養を運んでいる大切な要素です。

その通り道がさまたげられると、眼圧が上がり、視神経の障害や細胞死から視野が欠けていく緑内障を起こしてしまいます。