更年期症状と間違えやすい「橋本病」

反対に、甲状腺ホルモンが減ってしまうことで起こる病気が「橋本病」です。

橋本病では、甲状腺に炎症が起こることによって徐々に甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌量が低下していきます。それが原因で脳の動きが鈍くなったり、むくみや冷えの症状が出たり、髪の毛が抜けたりといったことが起こります。

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甲状腺の機能が落ちることで血の巡りが悪くなり、便秘になったり、代謝が悪くなって太りやすくなったりすることもあります。

オンライン診療をしていると、最初から自分の症状を更年期によるものと判断して、薬を求めてこられる患者さんがときどきいらっしゃいます。

その際、私はまずは採血をしてもらい、甲状腺に異常がないかを確かめるようにしています。それほど、更年期症状と甲状腺疾患の症状は見分けるのが難しいのです。

人間ドックのオプションで甲状腺のチェックを追加できることもあるので、気になる方は一度検査してみるのがよいでしょう。