副腎機能不全
また、更年期症状と間違えやすい病気には、「副腎機能不全」もあります。
副腎とは、腎臓の上にある小さな臓器ですが、そこで作られる副腎ホルモンは、血圧や心臓の機能を維持するなど重要な役割を果たしています。
副腎機能不全とは、本来は細菌やウイルスから体を守ってくれるはずの自己抗体が誤って副腎を攻撃するようになり、副腎ホルモンの分泌量が減ってしまう病気です。その結果、だるさなど更年期症状と共通する症状が出ます。
副腎機能不全は今のところはそれほど多くない病気ですが、現在の医療現場の様子を見ていると、今後増えていく可能性があると私は危惧しています。
なぜなら、近ごろは自由診療やオンライン診療の普及によって、安易にステロイドを処方する医師が増えているからです。
ステロイドとは、もともと副腎ホルモンのひとつで、このホルモンが持つ作用を薬として応用したものです。炎症を抑えたり、免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。
しかし、副作用も多いため、使用には万全の注意を払わなければなりません。