令和5年度の文化功労者に漫画家の里中満智子さんが選ばれました。高校在学時の1964年に『ピアの肖像』で第1回講談社新人漫画賞を受賞した後もなお、数々のヒット作を生み出してきた里中さんが歩んだ道のりとは。マンガ家になることを決意した里中さんは、大阪から上京。東京で先輩方に直接会えることが活動の刺激になったとのことで――
大先輩たちが編集部にいる!
上京して編集部にちょくちょく顔を出すようになってからは、編集部にいると、先輩たちと会えるようになったのが嬉しかったものです。
大先輩の前でドキドキしていましたが、みなさん本当に優しかったのです。
先輩方と直接お話がしたくて、打ち合わせがもうじき終わるかなという頃を見計らって、廊下でモジモジ待っていました。
偶然を装って「ああ、どうも」「よろしくお願いします」なんて挨拶すると、お茶やご飯に誘ってくださるのです。
みんな描くものが異なるので「大変だけど頑張ってね」なんて応援してくださる。