「ちゃんとした母親になれない」

生まれる前からこんなに余裕がない母親で、まともに子育てができるわけがない。日増しに膨らむ不安と焦りは、真っ黒な塊となって私の喉を塞いだ。

子どもの頃から、不安な気持ちがせり上がるたびに息苦しさを感じていた。その癖は今も抜けず、何かに追われているような感覚に陥ると、途端に呼吸が浅くなる。頓服を流し込んでも、やってくるのは眠気のみ。

私がほしいのは“安心”であるはずなのに、それをもたらしてくれる薬はなく、安心は己の内側で育てるしかないのだと日々痛感する。

“この世界は安心に足るものだ”と、そう子どもに教えたいのに、私自身が世界を信じていない。信じたいのに、信じられない。安心を求めてもがくほど、不安の波が押し寄せてくる。