おくれをとっていた長編成化

そんなわけで、京成電鉄は駅の数が多く、駅間距離も短い。停車駅も多いため、JRに乗り換えて都心に向かうにも時間がかかる。

京成電鉄ならば、向かうのは日暮里か押上だ。押上から都営浅草線に乗り入れるものの、オフィス街とは若干離れたところにしか着けない。日暮里は乗り換えが必須だ。

成田空港への乗り入れにより、京成電鉄の存在感は一気に高まった(写真提供:Photo AC)

京成電鉄よりも速達性が高い総武快速線に乗り換え、都心をめざすという郊外生活者の行動が見てとれるようである。

現在の京成電鉄は、最大で8両編成となっている。JR総武線と競合しているが、総武緩行(かんこう)線は10両編成、総武快速線は15両編成だ。しかも、京成電鉄は1両あたり18メートル、JRは1両あたり20メートルの車体長である。当然、輸送力には大きな差がある。

ほかの関東圏私鉄と比べても、長編成化については後(おく)れをとっていた。