中医学的 啓蟄の暮らしかた

・心と身体の状態

暖かさを感じる日が増えていきますが、そのぶん朝夕の気温差も激しく、その変化に対応するため、心身ともに負担がかかる時期でもあります。

人間の身体は、たとえば気温に合わせて毛穴を広げたり閉じたりと、細かく自律神経の調整をくり返しますが、気温差が激しかったり、大きなストレスがかかったりすると、その調整に混乱が生じてしまいます。

結果として、それらのコントロールを司る肝や肺に大きな負担がかかり、肝や肺の弱りからくる症状――イライラ・ソワソワ・憂うつ・倦怠感など――に見舞われやすくなるでしょう。

『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

・起こりやすい不調

肝が弱る影響で肺が弱るので、花粉症などのアレルギー症状に悩まされる人が多い時期。

中医学では、身体の表面にある「衛気(えき)」と呼ばれるバリア機能が不足すると、花粉症などのアレルギー症状が悪化すると考えます。

また、元気がない・疲れやすい・声が小さくなる・汗をかきやすいなども、同じく「衛気」の不足が原因で見られる症状です。

そして、鼻水、涙などの分泌物がたくさん出るという人は、甘いもの、冷たいもの、水分などの摂りすぎが原因かもしれません。冬にこれらを食べすぎた人は、この時期、花粉症がひどくなる可能性もあります。