啓蟄(3/5~3/20頃)<『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』より>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「啓蟄(3/5~3/20頃)」です。

啓蟄(けいちつ) 3/5~3/20頃

うららかな春の陽気に誘われて、冬ごもりをしていた虫(=蟄)たちが目覚め、地中から出てきて(=啓)、活動を始めます。

暖かい日が増え、体感的にも春を感じられるでしょう。

とはいえ、朝夕はまだまだ冷えるので、気温差から心身ともに負担がかかりがちです。

この時期は花粉症に悩まされる人も。

不調をやわらげるためには、身体に陰と血(けつ)(注1)(潤い、水分、血液)を補い、五臓(注2)の「肝」の働きを助ける養生をしていきましょう。

(注1)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。

(注2)中医学の考えで、「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたります。