16歳から15年間続いた体の不調
16歳から15年間の長きにわたり、原因不明の頭痛や心身の不調に悩まされてきた椎名由紀さん。過去に抱えていた不調と、当時の心境はどのようなものだったのか。
16歳の頃、突然原因不明の頭痛に悩まされはじめました。下を向くと余計に頭痛が悪化するので、学生時代は机に向かうことさえままならなかったですね。頭痛以外にも、倦怠感、低血圧、冷え性、便秘、肩こりなど、ありとあらゆる体の不調を抱えていました。太っていたことも悩みの種で、どんなに運動しても全然痩せられなかったんです。
大きな病院を何軒もハシゴして、鍼治療もカイロプラクティックも試しました。でも、どれも効果がなくて。施術中は気持ちいいのですが、帰る途中で元に戻ってしまう。どの病院に行っても、何の検査をしても「なんともない(異常はない)」と言われる。「いや、“なんともある“から来てるんじゃん!」と、病院の帰り道はいつも泣きじゃくっていました。
頭痛がはじまったのは16歳からでしたが、私はもともと極度の上がり症で、いつも体に力が入っている子どもでした。水泳部に所属していたのですが、水泳大会の本番などは特に大変でしたね。自分の番がきて名前を呼ばれている間、後ろで吐いていたんですよ。それぐらい緊張しいで、本番に実力を発揮できないタイプでした。
そうやってずっと自分の体に緊張を強いていたから、人より早く疲れちゃった。その結果、さまざまな症状が出てしまったのだと思います。
私が抱えていた症状は珍しいものではなく、頭痛をはじめとして多くの人が抱えているものです。だからこそ、みんな「これが普通」「しょうがない」と考えてしまう。まさに、私自身がそうでした。自分は呪われた体なのだと思い込んで、早くも10代にして健康になることを諦めていたんです。症状が辛すぎて生きているのが苦痛で、毎日どうやって死のうかと、そればかりを考えていました。でも、ZEN呼吸法に出会って、それが間違いであったことに気づいたのです。