響きも美しく、うれしい気分に

「ごきげんよう」は「ごきげんようございます」「ごきげんよくお過ごしくださいませ」などが短くなったもの。室町時代に宮中で女官たちが使っていた御所言葉が語源とも言われています。明治時代には山の手言葉として、日常生活や女学校での挨拶で使われていました。

人が訪ねてきたときなど、「ごきげんよう」と言われると、自然と自分がきげんよく過ごしているような気分になります。また別れる際に「では、お気をつけて。ごきげんよう」と言われると、なんとなくいい気分に。響きも美しく、口に出すほうも聞いたほうもうれしい気分になるのですから、なくしてはいけない、麗しい日本語だと思います。

最初はちょっと照れくさいかもしれませんが、まずはお友達と「令夫人ごっこ」のつもりで口にしてみたらどうでしょう。そのうち慣れて身につきますよ。

というわけで……、それではみなさん、ごきげんよう。

 

●今月の書「ごきげんよう」

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