話す文の長さもどんどん長くなっていく

さらに言うなら、子どもが爆発的な勢いで学んでいくのは、単語だけではありません。

1歳の誕生日を過ぎた頃の子どもの話し方と言えば、「ワンワン」や「ブーブ」のように、一度に1つの単語だけを言うという「一語発話」でした。

しかし2歳になれば、子どもは「ワンワン イタ」のように単語をつなげた文を話すようになり、その文の長さはどんどん長くなっていきます。

話すことのできる文の長さという点でも、子どもは爆発的な進歩を見せるのです。

話すことのできる文の長さという点でも、子どもは爆発的な進歩を見せる(写真提供:Photo AC)

*1 『子どもとことば』(岡本夏木著、岩波書店、1982)

*2 以下の2文献にもとづき作成:(1)日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙「語と身振り」
手引(小椋たみ子・綿巻徹著、京都国際社会福祉センター、2004)、(2)日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙「語と文法」手引(綿巻徹・小椋たみ子著、京都国際社会福祉センター、2004)

※本稿は、『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。


赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』 (著:針生悦子/中公新書ラクレ) 

東京大学で認知科学や発達心理学の研究に従事する著者は、赤ちゃんの「驚き反応」に着目するなどして、人がことばを学ぶプロセスについて明らかにしてきました。子どもはラクラクとことばを覚える「天才」? 赤ちゃんは耳にした「音」をどうやって「ことば」として認識する? 生まれた時から外国語に触れていたら、誰でもバイリンガルになれる? 本書を読めば、赤ちゃんの無垢な笑顔に隠れた努力に驚かされること間違いなし!