日に日にしょぼくれていった。

あまりにもしょぼくれ度合いが激しかったので、これは緊急入院の必要ありと判断し、室内に取り込んだのだが、時すでに遅しの感あり。まもなく繊細なフェンネル、この間まで活き活きと料理の香りづけにも参加してくれたバジル、そんな特技があるのかどうかわからなかった「蚊を寄せつけないハーブ」が、次々にご臨終あそばした。

同じハーブでも、以前から別のプランターで育てていたローズマリーは暑さもなんのその。あちこちへ茎を伸ばして逞しく縄張りを広げ、周囲の植物を圧倒する勢いである。弱っていく他のハーブたちと何が違うのであろうか。にわか園芸家にはとうてい理解できないうえ、処方箋がわからない。

早晩、ミントとレモンバームとシソもご臨終のときを迎えるのであろう。葉先は茶色く変わり、茎は細々と頼りなく、いずれも料理に使えるような健康状態とは思えない。日に二度の水やりは続けたものの、まもなく訪れる別れのときを待つのみかと観念していた。

この夏は、プロが育てる米や野菜も各地で猛暑の被害にあったという。その方々の悲痛さを思えば、趣味の園芸家の嘆きなどミミズのウンチにも及ばない。

いっときは、なんとか元気を取り戻してもらいたいと思い、いろいろ画策した。