何があっても「明日を信じて」やってきた

お医者さんも「まさかここまでになるとは」と驚いてらっしゃいましたけど、僕としてはね、もう1回舞台に上がる。仕事に戻る。その思いしかなかったんです。「戻りたい」ではなく「戻る」。

そもそも、なぜそう思ったのか。思えたのか。僕らは世に出るのが本当に遅かったんです。キャリアで言うと28年目くらい、年齢で言うと50歳前後になってやっと見てもらえるようになりました。

昔はね、今よりももっと芸人が若くして世に出ていたので、周りは平均して10年以内には売れっ子になってました。

だからこそ、やっと世に出られたのにここで辞めるわけにはいかない。そして、何があっても「明日を信じて」やってきたからこそ、その「明日」が来た。その感覚があったからこそ、毎日これでもかとリハビリができたんやとも思います。

僕らがなんとか世に出られるようになったきっかけは、僕が相方の髪の毛を吹くネタができたことです。あれも、続けてきたからこそ生まれたもの。つくづくそう思います。