声援大爆発!

初日の正面解説は舞の海さんだったが、もし熱海富士の師匠である伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)が解説をしていたら、つぶやき調のお叱りの言葉をあびせることだろう。私は伊勢ケ濱親方の放送席からの熱海富士への弟子愛を隠したお叱り言葉のファンなのだ。

次に登場した大関は、8回目のカド番の貴景勝。前から痛めている首の状態が悪いと言われている。貴景勝がはたき込みで、前頭筆頭・朝乃山に勝利。こちらも人気力士同士の対戦なのに、土俵の滞在時間は短かった。

その次が凄かった。観客の声援大爆発!地元大阪府出身の前頭筆頭・宇良が登場。宇良が大関・豊昇龍を肩透かしで破った瞬間は、株価が最高値になったよりも凄い騒ぎだと感じた。

実況の太田雅英アナウンサーは「お見事でした!」と宇良の技を表現し、舞の海さんは「桜が満開になったようですね」と宇良の廻しの色に合わせたピンクのタオルや応援グッズが揺れるのを語った。

向正面の桝席の中の放送席にいる荒磯親方(元関脇・琴勇輝)は「鳥肌が立ちましたね」と、宇良の勝ち方と周囲の騒ぎを、まさに肌で感じたことを述べた。

負けた豊昇龍の顔には悔しさがモロに出ていた。

大関で最後に登場したのは、先場所綱とりに失敗した霧島。稽古を良くしているという情報から期待していたが、小結・阿炎の引き落としに敗れた。霧島も立合いからの土俵の滞在時間が短すぎた。攻防の末の結末であって欲しいものだ。

時短相撲で、その強さを見せて欲しいのは、照ノ富士だといつも思っている。2連覇により、自身の目標である10回目の優勝を果たして欲しいが、小結・錦木に敗れた。照ノ富士は上手を取ったので勝てると思ったが、相手も組んでいるのだ。錦木が腰の重さと逆襲の底力を発揮して、照ノ富士を寄り切った。