東京大学・本郷和人先生に連載いただいている『婦人公論.jp』では、そこで生まれた先生とのご縁をきっかけに「日本史ツアー」を開催しております。初回の「徳川」に続く、第2弾のテーマはズバリ「武田」。一泊二日で信玄ゆかりの地を巡り、最終目的地として甲斐武田終焉の地・景徳院に向かいました。そこで本記事では、参加者が味わった臨場感と知的興奮を読者の皆さんにおすそ分けしたいと思います。初回は「川中島・諏訪大社」です。
「武田」ゆかりの地へ
ツアー第2弾のスタートは新宿駅。あずさに乗って松本駅へと向かいます。
松本駅からはさらにバスへと乗り換えて一路、川中島へ。楽しいおしゃべりを交えながら、バスの中では先生お手製の資料をもとに、事前の解説をいただきました。
解説をふまえて整理すると、「川中島の戦い」は、信濃国(現在の長野県)南部や中部を制圧した甲斐国の戦国大名・武田信玄(晴信)が北信濃まで侵攻し、そこで越後国(現在の新潟県)の上杉謙信(長尾景虎)と行った戦いのことを指します。
主な戦闘は五回。1553年から1564年にかけて行われたとされますが、一般的には最大の激戦だった永禄4年(1561年)の第四次合戦を「川中島の戦い」と言い表すことが多いようです。
解説に加えて、先生からは「なぜ場所が川中島だったのか。激戦の四次を制したのは信玄と謙信のどちらだったのか。そしてなぜ五回で終わったのか、というナゾについて、現場を歩きながら考えてみてください」との宿題も。