形見配布パーティーを

そのほか、自分で思いついて「いいアイディア!」だと思っているのは〝形見配布委員会〞を発足したことです。おしゃれは若いときから大好きで、アクセサリーやスカーフなどを集めてきました。

いずれも高価なものではありませんが、石や真珠は本物ですし、海外に行くたびに記念にと買い求めてきたスカーフは、新品がタンスの引き出し三つ分もあります。これらを、お世話になった人に形見分けしたいと考えています。

そのため、親しい人や仕事仲間、年下の親戚たちを〝形見配布委員〟に任命。このブローチはこの人に、あのネックレスはあの人に、と分配を考えてもらうことにしました。

ただし、アクセサリーに関しては、すべて合わせると結構な数になります。委員の頭を悩ませるのも悪いので、私が亡くなったあとには食事つきの〝形見配布〞パーティーを開いて、それぞれ好きなものを持って帰ってもらいたいと考えています。

形見の品を通じて縁をつないでもらえたら、こんなにうれしいことはありません。そのころ私は天国で、いや地獄かわかりませんけれど、その様子を見ているはず。「そのブローチはあなたより**さんのほうが似合うわよ」なんて注文をつけているかもしれません。 

※本稿は、『91歳、ヨタヘロ怪走中!』(婦人之友社)の一部を再編集したものです。


91歳、ヨタヘロ怪走中!』(著:樋口恵子/婦人之友社)

これからは「おばあさんだらけ」の時代になる、と宣言するヒグチさん。そんな時代のトップランナーとして走る著者の「ヨタヘロ」と「ときめき」の逸話の数々。91歳を超えてますます元気な愉快痛快エッセイ!