船長の上原一幸さん(右上)、操舵も担う上原さんを含め、漁師6人一組で漁へ向かう

漁師が減り続けるなかで

昭和50年代には伊良部島だけでも70人を超えるアギヤー漁の漁師がいましたが、いまでは20人に。上原一幸さんたちのアギヤー漁は、20代から70代までの6人がチームになって海に出ます。

「おじいちゃんたちの力ってすごいなと本当に思います。だから、どうにかしてつないでいかなければ」

愛知県の自動車メーカーに勤めていた上原さんは、アギヤー漁師だった父親のあとを継ぐために、9年前に島に戻ってきました。

「帰ってきてやってみたら、こんなに楽しくて、人生に刺激をもらえる仕事はなかなかない。これからも続けていきたい」と上原さんはいいます。

グルクンは小骨の多い魚なので、唐揚げにするのが一番美味しい食べ方なのだとか。そのグルクンの唐揚げを丸ごと入れた味噌汁は、伊良部島ならではの家庭の味になっています。

『コウケンテツの日本100年ゴハン紀行2――-沖縄 宮古島・本島 大分 別府温泉 島根 松江・出雲』(著:NHK「コウケンテツの日本100年ゴハン紀行」制作班/中央公論新社)