腕っぷしの強い子分たちを引き連れていた武人貴族

満仲の官位は正四位下で、各地の国司(受領)を務めて懐は極めて豊か。

長男の頼光はこの後に皇太子となった居貞親王(三条天皇、つまり花山天皇の異母弟)の東宮坊の権大進(三等官待遇)になっているので、六位くらいの官位は持っていたと思われます。紫式部の父、藤原為時とどっこいどっこい、とでも言えばわかりやすいでしょうか。

為時と違うのは、彼ら武人は腕っぷしの強い子分をぞろぞろ引き連れていたことです。

それらの子分は多分、京の周辺の荘園を基盤として都に出てきた武人貴族へ、契約社員のように仕えていたのでしょう。京で警備するときや受領として下向するときにはこういう部下が役に立つのです。

ドラマでいえば、騙されたのを知った花山が逃げようとしたのを押しとどめた、ガタイのいい連中がそれに当たるでしょう。