花山天皇を護衛していたのは「源氏の武者」

とは言っても、花山天皇の退位事件が、完全に非暴力的に行われた、というわけではありません。

事件から100年近く後の書物、歴史書『大鏡』には、「誰や彼やというよく目立つ源氏の武者が花山天皇の護衛についていた」とあります。もちろんこの護衛が、むしろ逃亡防止用でもあったことはドラマで描かれていた通りなのですが。

ここで面白いのは、護衛が「源氏の武者」だとしていることです。

具体的には誰でしょうか。この事件の首謀者、左大臣藤原兼家に関わる源氏には、清和源氏の源満仲がいます。彼はこの翌年に出家しているので、実際に関わったのは、息子の頼光・頼親・頼信などでしょう。