平松先生「老眼鏡とルーペでは使用目的がまったく違う」(写真提供:Photo AC)
環境省が公開している「花粉症環境保健マニュアル2022」によると、約3人に1人がスギ花粉症と推定されるそう。そんな花粉症の症状の一つに目の痒みがありますが、「目を掻いてしまうと網膜剥離になりやすい」と話すのは、眼科専門医・医学博士の平松類先生。今回は平松先生に「目のトリセツ」について解説していただきました。先生いわく、「老眼鏡とルーペでは使用目的がまったく違う」そうで――。

100円メガネはサンダル

老眼で近くが見づらくなってくると、100円ショップの100円(税抜き)老眼鏡ですまそうとする人がいます。

100円老眼鏡でも、ごく短時間使うなら問題ありません。短時間というのはサンダルを履いてゴミ出しに行くくらいの時間です。

まだ裸眼でもだいたい見える人が、大事な書類にサインをするときだけ老眼鏡をかけるというのなら、100円老眼鏡でもいいかもしれません。

でもサンダル履きでマラソンするとしたら、うまく走れませんし、足が豆だらけになってしまうでしょう。ランニングシューズでないとマラソンはできません。

メガネ屋さんで視力をきちんと測定してつくった老眼鏡と、100円老眼鏡ではそのくらいの違いがあると思ってください。

100円老眼鏡のように、度が正確に合っていないメガネをしょっちゅうしていると、そのたびに目に負担がかかり、目の老化が進んで、老眼もより進行させることになってしまいます。