「フランスの人は、毛玉を気にしないんだね」
乾燥ワカメな洗濯物を見てから気になって、ソフィーや子供たちの服を、失礼ながらまじまじと見てみた。
あの昆布にしか見えなかったスリムパンツは、ソフィーがはいた瞬間、そのすらりとした足にピッタリとフィットして、なんの問題もなく上手に着こなされている。よく見ればシワはあるが、全体で見れば気にならない。子供たちもピシッとしている。なぜだろう? とまた不思議に思って首をかしげた。
面白いことに、パートナーのN君もシワではないが似たようなことに注目していたようだった。
「フランスの人は、毛玉を気にしないんだね」
街を歩いているときに彼が呟いた。道行く人のセーターがみんな毛玉だらけだという。そう言われれば……。
でも服のシワと一緒で、あまり気にはならなかった。なぜ気にならないか、という疑問はちょっと置いといて、「日本人はきれいだ」と外国の人に言われる理由がこのときわかった気がした。確かに外国で、こぎれいな人がいるな、と思うと日本人だったりする。きれいとは「クリーン」という意味なんだな、と。