イラスト:おおの麻里
平成25年の厚生労働省国民生活基礎調査によると、便秘に悩む人は全国で450万人にのぼります。しかし、便秘の定義は明確ではないため、さまざまな誤解が広がっているようです。快便生活を送るにはどうすればいいか、大腸・肛門機能の専門医・神山剛一さんに聞きました。(イラスト=おおの麻里 取材・文=鈴木裕子 構成=天田泉)

目指したいのは「するするバナナの便」

そもそも便秘とは、どういう状態を指すのでしょう。医学上の定義では「正常な排便は、1日に3回~3日に1回」(『慢性便秘症診療ガイドライン2017』より)です。つまり、それよりも頻度が少ない場合は、「便秘」と捉えられています。

「『何日も便が出ないから便秘だ』『お腹が張るのは、便がたまっているからでは?』『吹き出物がひどいのは便秘のせい』……という誤解や思い込みから下剤を飲み続け、症状を悪化させたり、便が出なくなったりするケースも少なくありません」

と大腸・肛門機能の専門医である神山剛一先生は話します。実際には、排便のしくみについてはまだ解明されていないことが多く、便秘の症状を明確に定義することはできません。

「週に1回の排便でも、体調に問題がなく、本人が困っていなければそれは便秘ではないのです」(神山先生。以下同)

また、「便がすっきり出ない=便秘」ではありません。すっきり出ないことの大きな原因は、忙しさなどの諸事情で、本来の排便のタイミングを逃してしまっているから。それなのに便を出そうとするので、「すっきり出ない」と感じるのです。

「本来の便意とは、直腸がしぼもうとする力によって起きるもの。そのタイミングで出せば、すんなり排便できるのです」

気持ちよく排便するためにもう一つ大切なことは、理想的な“するするバナナ”の性状(質と状態)である便を出すこと。