東北人なので、口もあまり開けなくて
生駒 美波里さんの伝える力って、本当にすごいですよね。今回、ご一緒させていただけることがわかって、とにかく美波里さんの伝える力を学ばせていただきたいと思っています。私、滑舌がないので今、トレーニングに通っているんですが、そこで先生に「どうやったら伝わるかをよく考えて」と言われています。東北人なので、話すときに口もあまり開けないし。
前田 アメリカのミュージカル女優たちとは真逆ですね。顔の筋肉を全部動かさないといけないの。私が通った小学校はそういうことにとてもうるさかったの。自然に身に付いていたので、劇団四季に入ったときの最初のボイストレーニングで、浅利慶太さんのおっしゃる発声がすぐにできたんです。
生駒 へええ、いいなあ。そういえば美波里さんは、口角を上げたまま話していらっしゃいますよね、私は口角が下がっているから気を付けないと、と言われています。すごく難しくて…。伝えるということが弱いので、今回、こういう機会をいただけて、どうすればお客さまに伝わるんだろうと考えながらやりたいです。まいという役をやるにあたって、私を通して、お客さまに共感していただけることがあれば、うれしい。生駒里奈を使って見えるところを見ていただきたいです。
前田 人って、しっくりいかないときもあるものね。生き方をなにか考えたくなったときに、この作品を見ていただけるといいかもしれませんね。
生駒 もちろん、作品が好きな方にも見ていただきたいけれど、今、一休みしたい方、ちょっと疲れている方にも、何か感じてほしいですね。見終わって清らかな気持ちになっていただけそうな気がします。
前田 あまり出てこないけど、まいちゃんのおかあさんもやりたいことがたくさんある女性なのよね。そんな方にも見ていただけたら、もう1度自分を見つめ直して、自分と向き合って、生き方を考えることにもなるんじゃないかしら。この年になると、魂と肉体ということも考えてしまうんですよ。みなさん、怖がらずに見てくださいね。(笑)
【上演概要】
リーディングドラマ 西の魔女が死んだ
原作 梨木香歩『西の魔女が死んだ』(新潮文庫刊)
出演 前田美波里 生駒里奈
ヴァイオリン演奏 高木凜々子
台本・演出 笹部博司
上演時期 2024年6月25日~27日 東京草月ホール
6月29日 秋田(生駒里奈出身地)由利本荘市文化交流館カダーレ