絶対に削ってはいけない言葉とは
でも考えてみれば、これは、介護をする側にとってもメリットしかありません。
なんとか伝えようとして言葉を尽くし、ますます伝わらなくなって、イライラしてしまうのに、正解は、「伝えすぎない」ことなんですから。
最小限のコミュニケーションで、最大の効果を得る。
これぞまさに「省エネ介護」ですよね。
ただし、絶対に削ってはいけない言葉もあります。
それはやっぱり、「ありがとう」「助かったよ」などの感謝の言葉です。
たとえば、立ってくれたときに「ありがとう、じゃあ行こうか」と言って手招きをすれば、感謝されたから次の動作に移れるという状況になります。
そして「こうやればいいのね」と理解がきちんと通じるので、本人の安心にもつながります。
※本稿は、『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』(著:川畑智、監修:内野勝行、マンガ:中川いさみ/アスコム)
認知症の人とともに生きる上で何より大切なのは、「笑う」こと。認知症介護の中にだって、おたがいに大笑いできる瞬間や、日々の介護の中で心が通じ合う瞬間、心がほっこりと温かくなる瞬間が必ずあります。そんな「晴れ間」を作るための考え方や方法を、著者が経験したエピソードととともに一冊にまとめました。漫画家・中川いさみ先生のクスっと笑えて、じんわり心が温まるマンガとともに、お読みください。