自分が亡くなったら、そこで終わり

「飼っていた猫の、お墓を作っちゃったんです」。父の他界した翌年の2011年に、愛猫が21歳で天国に行きました。ずっとかわいがってきた猫は、居間のソファの上で事切れました。「心にぽっかり穴が開く、というか……」。文枝さんはペットロスになり、いまも他の犬猫を飼うことは考えられません。

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愛猫が眠る土地を、文枝さんは離れられないと言います。「猫を置いていきたくないんです」。だから、買い換えではなく、できれば同じ土地で建て替えたいのだそうです。

お墓のことも、実は気になっています。先祖代々の墓は遠方にあるため、父が生前、近所の墓所を買いました。いまは初代の父だけが入っていますが、いずれ母と兄も入るでしょう。

でも、自分が亡くなったら、そこで終わりです。あとは誰が面倒を見てくれるでしょう。どこかのタイミングで永代供養を頼むべきなのか。墓じまいをした女友達がいるので、話を聞きたいと思っています。

一方で、仲良しのいとこが墓守をしてくれると言うので、任せちゃおうかとも思います。急ぐ話でもないので、結局、いまだ手を付けていません。

老後の家や墓をどうするかはさておき、「断捨離はもう始めないといけないと思っています」と、文枝さんは言います。会社でビルの管理・清掃を任されている関係で、顧客から住宅の「遺品整理」業務を依頼されることがあるからです。