イメージ(写真提供:photo AC)

右手と左手の鉄則

先輩方のお点前を拝見するのはとても勉強になる。なぜ闘球氏や白雪さんがお点前をすると、釜がほとんど揺れないのか。私がしたときは、師匠が止めるほどの揺れだったのに、優雅に揺れているだけである。これがお稽古の年数の差なのだろう。

御菓子は、お薄は江戸時代の禅僧仙がい和尚(せんがいおしょう)ゆかりの○□△を模した「茶果」という干菓子。お濃茶は「佐渡路(さどじ)」だった。緑色のきんとんの上に、菜の花のような黄色のそぼろが、ところどころにあしらってあるのがとても愛らしい。

 

梅子さんがいるときは、私が点てたお茶を飲んでくれるけれど、彼女が仕事でお休みのときは、自分で点てて自分で飲む自服になるのだが、どうもおいしくない。味が薄っぺらいのである。

さすがに先輩方が点ててくださったものは、味わいがある。いつになったら、そこまでできるようになるのやら。いつまでも手の動きすらできないようでは、道のりは遠いとため息しか出てこないのだった。