風呂カラオケのメリット
メリット1 溺れない
日本では、風呂場で年間2万人ものかたが「不慮の事故」で急死しています。
なかでも多いのが、65歳以上の高齢者の「入浴中の溺死」。高齢者の浴槽内での溺死は年間4750人。交通事故死2150人の2倍を軽く越えています(厚生労働省2021年人口動態統計)。
亡くなったかたの多くが、湯船で眠りこんだり、のぼせたり、「入浴熱中症」に陥ったり、あるいは、めまいなどから湯船に倒れこんで溺れたと推定されています。
ああ極楽、と湯船でくつろいでいたら、頭がボーッとしてきた。ウトウト眠ってしまった。立ち上がったときに、頭がクラクラした。
あるある、とうなずいたかたが多いと思います。
そこで風呂カラオケ。基本は、お好きな昭和歌謡や童謡・唱歌を3曲、10分以内で歌う。歌えば脳が刺激されてぼんやりしないし、10分ルールで長湯もしません。ゆっくり湯船から出れば、めまいも起きにくい。この習慣が身につけば、溺れて亡くなる原因の多くが取り除かれます。
メリット2 骨折・転倒を食い止める
「骨折・転倒」は、高齢者が要介護になる原因の3番目で、14%を占めています(令和4年国民生活基礎調査)。
高齢になって転倒すると、足の付け根の骨折や、頭の強打による頭部挫傷、脳内出血など、深刻な事態につながりやすい。長期入院となると一気に足腰も脳も衰えて、たちまち寝たきりになってしまいます。
風呂場での年間2万人の事故死にも、転倒が大きくかかわっているのは確実です。
東京都が20歳以上の男女4000人にアンケートした「浴室等に潜む危険」調査の報告では、浴室でヒヤリとしたことや、ケガをしたことがある、と回答した人が6割以上。そのうち「転倒」を含むものが7割以上を占めていました。
風呂カラオケで、のどを痛めずに、のどの筋肉を効果的に鍛えることができます。
のど筋が健康なら、よろけたり、つまずいたりしたときに声帯がピタッと閉じて上体が安定し、とっさに足を踏ん張れる。結果として「転倒骨折」のリスクも減ります。