日本では、風呂場で年間2万人ものかたが「不慮の事故」で急死しています(写真提供:Photo AC)
令和3年の厚生労働省「人口動態調査」によると、浴槽内または浴槽への転落による溺死で亡くなった65歳以上の方の数は、約5000人だそう。「鼻と口が湯に浸かっても目覚めなかったり、動けなかったりすると数分で窒息して、命を落としてしまいます」と話すのは、声とのどの専門医・渡邊雄介先生。そんな渡邊先生がおすすめするのが「風呂カラオケ」。事故を防ぐだけでなく、のどの筋肉を鍛えれば、全身の衰えを食い止めることにもつながるとのこと。転ばない、誤嚥しない、老人性うつにも陥らない――風呂カラオケの豊富なメリットとは。

入浴前、服を脱ぐ前の3分ウォーミングアップ

のどの筋力を鍛えようと思い立ったかたは、以下のやりやすいものを選んで、まず体とのどの筋肉をほぐしましょう。

入浴前に行うなど、タイミングを決めておくのもいいですね。

本記事で紹介するエクササイズはすべて、医学的根拠に基づいています。

私自身が、患者さんの声やのどの治療に積極的に取り入れているものばかりです。

・つや声ストレッチ

声帯のまわりには、10以上の筋肉がついています。舌も筋肉のかたまりです。

それらの、発声にかかわる筋肉がこわばっていると、声も歌詞もスムーズに出ません。まず、ほぐしてやわらかくしましょう。

(1)ゆっくりと30秒ぐらいかけて、首を左右に5回ほど回します。
(2)のどぼとけを軽くつまんで、指の腹で左右に広げるようにストレッチ。