簡単に置いていかれてしまう

訳例
「スティーブ・ジョブズ氏は紹介は不要でしょう。アップル社の創業者としてマッキントッシュやiPhone、iPad といった世界を変える驚くべき製品や技術を生み出しました。」

本記事の読者であれば、じっくりと読んでもこの英文の意味が全く分からないという方は少ないと思いますが、急ぎ足で読むとなると、第2文は少し修飾語句が多くなっているために、途中でほんの一瞬考えるといったことがあったかもしれません。

実際のニュースではこの第2文を約12秒で発音しているため、少しでも途中で構造を考えたり、この単語は何だっけなどと悩んだりすると簡単に置いていかれてしまいます。

まさに英語を理解する速度がネックになってリスニングがうまくいかないパターンです。

※本稿は、『英語の読み方 リスニング篇-話し言葉を聴きこなす』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


英語の読み方 リスニング篇-話し言葉を聴きこなす』(著:北村一真/中央公論新社)

音声英語に接し、聴き取れないからと英語習得を断念したことはないだろうか。安心していただきたい。一定の速度で英文が読めれば、自ずとリスニングの力も上達するからだ。

本書では、まず読む力を鍛え、話す英語の本質とリスニング力向上のポイントを指南。ニュースや映画予告編、首相・国王や実業家のスピーチなど「本物の英語」を教材に、聴く力を身に付ける。

随所に独習のコツ、巻末に即役立つ20の厳選例文を収録。