あっという間に消えてしまった

「15つぶかあ。じゃあ朝は3つぶにしよう」

そう決心して、学校に行く途中(とちゅう)にまず1つぶ食べた。

「ボリボリボリ」

奥歯(おくば)でかんでいると、1つぶめの大豆はあっという間に口の中から消えてしまった。それで2つぶめ。

『続 窓ぎわのトットちゃん』(著:黒柳徹子/講談社)

「ボリボリボリ」

これもあっという間。気づいたら、もう1つぶ。

「あーあ。もう3つぶも食べちゃった」

学校に着いたトットは、ママに言われたとおりお水をたくさん飲んだ。

「さっき食べた大豆が、おなかの中で水をいっぱい吸ってふくらむんだわ」

トットは、おなかの中の様子を想像した。

「残りは12つぶかあ」

トットは、大豆の入った封筒をズボンのポケットにしまった。