ファースト・ミュージカルとしておすすめできる舞台

この作品の舞台が炭鉱町なので、翻訳で置き換えた際の言葉にいわゆる筑豊弁を使っているんです。これは見事だなと思っています。翻訳物のミュージカルは、日本人同士が英語の名前で呼び合ったりするのがネックだと言われることもあるのですが、それをこういう形で克服したのには感動しました。

【撮影:田中亜紀】

エルトン・ジョンの楽曲も素晴らしいですし、サッチャーのハリボテみたいな人形が出てくるところもイギリスらしい。また階級の話であったり、家族の話、自分の夢の話と、テーマが本当にいいんですよね。どこを切り取ってもお勧めできる作品だと思うので、出演できることになって本当に幸せです。

この作品は、父と息子の物語でもあります。僕自身に子どもはいませんが、やっぱり息子って、自分の父親の父性を踏襲するものだと思うんですよね。僕の父は、息子が役者の道を選ぶことに反対しなかった人でした。

4“ANGRY DANCE” 左:川口調 右:益岡徹【撮影:田中亜紀】

なのでもしも僕に息子がいて、ビリーのように「バレエダンサーになりたい」と言われた時、僕の目で見て将来性がありそうだったら「やればいいんじゃない?」と言うと思います。逆にどう見ても才能がないようなら、「おまえ、やめといた方がいいよ」と止めてあげるのも親の仕事なのかもしれません。

「まだ一度もミュージカルを観たことがない」という人は、実際かなり多いと思います。そういう方たちへのファースト・ミュージカルとして、この『ビリー・エリオット』は自信を持ってお勧めできる作品です。僕は益岡徹さんとのWキャストなのですが、昨日も仲間に「なるべく僕が出てる回の日に来てね!」とチラシを渡してきました。(笑)お友達やご家族と、劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。